きらファン×タロットカード解説（2/3）
前回のあらすじ！！！
x10ccandy.hatenadiary.com（前回のあらすじ終わり！！！）
前回のやつはノリで書けたけど今回なんかすっごく書くの難しかった、あとこれ1/3あるの……？まじ……？
⑦THE CHARIOT／戦車：九条カレン『きんいろモザイク』
意味（正位置）：勝利・前進・積極性・テンションの高まり
この辺りから（というかまぁ恋人達を境目として？）舞台が本格的に物質世界に移る……というか登場人物がパンピーになってる気がします。
当たり前ですけどここでの戦車はtankのほうの戦車ではなくもっと昔の、言わば戦闘用の馬車です。前だけを見て一直線に突き進む人間の行動を描いたカードですが同時にその勢いの不安定さ、対立する理性と本能の二つを上手く手綱を引く必要性もほんのり示しています。
この人選については割と皆さんのイメージ通りだと思います。他にも元気枠（元気枠って何？）のキャラクターはいますがカレンほどアクティブに周りを動かして行動するキャラはパッと浮かび上がりません。（きんモザの代表がカレンなのは最初「そっち〜？」って思ったけど、逆に忍アリスはどっちが先に在るのか悩ましい、多分アリスかな……？）
元のカードと同じく、そしてきんモザらしく、快活でエネルギッシュな黄色を背景にし、前進を感じさせるポージングに☆5進化後のイラストのイメージをまぜまぜしています。
ウェイト版で白と黒のスフィンクスが戦車を引いていますが（人の頭で理性的に動く白いスフィンクスと獣の身体で本能的に動く黒いスフィンクスってことですね）流石にスフィンクス描くのは違和感あるので今回は変な人形（懐かし〜〜〜）にその役を担ってもらいました。
⑧STRENGTH／力：千矢『うらら迷路帖』
意味（正位置）：勇気・意志・忍耐・精神力
タロットにおける力は所謂「強いぞ！！！」みたいな意味での力ではなくもっと静的な、意思としての力です。本能のままに力強く生きる獣を腕力で押さえつけるのではなく懐柔し、丸く抑えている女性が描かれています。理性と本能の調和ということで戦車のカードと似たような内容ですがあちらはもっと動的ですね。
絵柄は無事獣を懐柔した結果のワンシーンなのですが本能と戦う……という壁に向かう勇気、それを行う強い精神力が要求され、そこに至るための長い道のりを耐え抜く忍耐があって……と暗示の内容はどちらかと言うとそこまでの過程から来ていますね。個人的にこれは他のカードと比べて異色だな〜と思います。
また女性の頭上に浮かぶ∞のマークがその過程を成し遂げた者が魔術師同様可能性／強い精神力を持つことを示しています。タロットで何度も何度も示されるのが調和……と言いますか対極にある2つのものが合わさり完全な姿になる……ということ、魔術師やこのカード、それと最後の世界のカードで∞のマークがあるってことはまぁテーマの1つなんだと思いますよ、あくまで1つですけど。
そんなことも踏まえると千矢がこのカードなのも割と納得して貰えると思います。獣としてのくろう（あと単行本以降のストーリーなんですけどくろうの正体が……なので以下略）の力を借り自分のものとする……そしてそこへの試練とうららとしての修行……あとふつうに勇気とか……
理性の象徴として白を纏う女性とその逆で黒く本能を司る獣、☆4進化後！に統一してなければ進化前の白マント衣装で描きたかったですね。
はりかも先生は流石にタロットの知識入れてると思うんですけど進化後が黒マントなのはやっぱりその二つの合一ってことでいいんですか！？！？！？！？！？！？！？！？
⑨THE HERMIT／隠者：一之瀬花名『スロウスタート』
意味（正位置）：思慮深さ・孤独・瞑想・考えにふける
元のタロットにおける隠者とは世捨て人、一般社会をドロップアウトし神秘・哲学・精神世界へと目を向けた老人が描かれています。大アルカナの一連の流れを見た時、人間のキャラ紹介やその行動・意思を描いた後、ここを入口としてもっと抽象的なものへと歩みを進める〜なんてストーリーも想像できます。1桁の最後の数である9ということで次のステップへと〜みたいな？
またそれとは別に戦車・力・隠者の3枚を1セットにして身体の動き（戦車）と精神の動き（隠者）、そしてそれをうまく取り持ってバランスをとる意思（力）……という感じで人間の行動を描いているようにも見えます。好きな解釈を選んでね。
年長者としての教えの意味もあり、ものしずかで思慮深い一之瀬花名ちゃんをチョイス。あとまぁ……あの……浪人時代の孤独とかも……
他のカードはだいたい屋外が舞台ですがこちらはうって変わって屋内に1人佇む姿。静かな印象を持たせたかったので枠は飛び出さないようにしています。それときらファン衣装背中デザインの資料が少ないので描くときたいへん……
窓の外に光る六芒星は元のカードにありましたがスピリチュアルのマークとしてかなりイメージ強いかと思います、これの説明は……えっ……難しい……上下それぞれを向いた三角形の合体した形ということで天上の力と地上の力って言ってる本もあるし天上の力を壊す力とも言ってるやつもある……
⑩WHEEL of FORTUNE／運命の輪：花小泉杏『あんハピ♪』
意味（正位置）：幸運・一時的なチャンス・転機・変化
ここで物語が転機を迎えます。まどかマギカで例えると戦車〜隠者が1,2話でこれが「もう何も怖くない」の辺り？
構図としては青空をバックに真ん中にどどんと置かれた輪っかと四隅に配置された翼の生えた動物たち、その他諸々（蛇、狐っぽい何か、スフィンクス……）という感じ。四隅の動物たちは元々は人間・ワシ・ライオン・牡牛、それぞれが四大元素を司ります、この構図は最後のカードの世界と似通ってる……と考えるとこのカードの重要性が分かりますかね。
幸運ならあんハピ♪のはなこ以外いないでしょう！というピックアップだったんですが構図に関しては悩みました、カードの主人公が無機物なので……結果元のデザインに近づけ輪っかをメインにしてそれにはなこの顔を合わせるくにくにのさく。また四隅の動物たちはあんハピっぽいものを代わりに配置……☆円の頂上に捧げてある剣は元々そこにいたスフィンクスが持っていたもの、武器のデザインがかっこよかったので描きたかったんです。
「UNHAPPY GO LUCKY」も本来は錬金術の用語みたいなのが描いてありましたのでその代わりです。
⑪JUSTICE／正義：志摩リン『ゆるキャン△』
意味（正位置）：公平・正当性・裁判・対等に接する
流れとしてみると運命の輪で訪れた転機に対しその結果を下す裁判～みたいな感じかな？法の下での公正な裁きを下し勧善懲悪を行う裁判官。
ドライな印象を与えるカードですね、法令、常識を遵守し人との接し方についても感情的にならない付き合い、そのあたりのキャラクター性を踏まえてリンをチョイスしました。また正義／裁判の象徴として本来のカードで持っていた天秤から△のイメージも膨らませました。こちらのカードでは天秤を持たせる代わりにランタンを持たせそれっぽく……
カラーリングは皇帝同様に赤い衣装……背景に配置された二本の柱は元々女教皇・法王のカードにもあったのですがその2枚は柱要素を入れなかったので今回こそは……間に布かけてあるしテントっぽい気もします。
顔が良いと思う。あと恋愛運の占いで正義の逆位置出ると三角関係なんですって、△……
⑫THE HANGED MAN／吊るされた男：萌田薫子『こみっくがーるず』
意味（正位置）：自己犠牲・忍耐・試練・努力
かおす先生吊るし甲斐がある。それはそうとしてこの持ち方は杖落とすと思う。
次のカードは死神、死そのものといった人間の力ではどうすることもできない超常の力を前にした時、もしくは大きな転機／ターニングポイントの前に人間が立ち向かう試練……という感じですかね。処刑ではないです……多分……
ここで吊るされた人は人間らしく地に足もつけられず、あらゆる苦痛・屈辱を背負いながらその受難の意味を理解し受け入れる超常的な人、その証が頭部からさす後光です。面白いのが、カード順で吊るされた男→死神→節制、このうち吊るされた男と節制の2枚に同じような光輪がある後光フレンズなんですよね。死神のカードを挟んだ順番ってのも想像力が膨らみます。
かおす先生をキャスティングしたのは決して吊るしたかったからではなく、ネームを切り続ける血のにじむような努力や連載に向けての壁、それらを耐え切るタフネスさが内容ともマッチしているからです。
構図については割とどのタロットも正面向きに吊るされていたのですがちょっと味気ないかな～と思い女教皇：ゆずこのカード意識で傾けました、後光の光輪の大きさと舞い散る4コマ用紙は寂しくないようにといった“盛り”です。
⑬DEATH／死神：アルシーヴ『きららファンタジア』
意味（正位置）：終了・失敗・停止・再生
こっちもまた転機のカードだ……運命の輪とは印象全然違うけど……まどかマギカで例えるとここでさやかが魔女化します。
終了を銘打っていますが大アルカナはまだまだあと8枚も残ってます、完全に幕引きというわけではなくその後の再生も意味するのであんまり怖がらなくていいんじゃないかにゃあ。
各作品の主人公に死神の役やらせるのはどうかと思ったのですがラスボスってこういう時に便利に使えますね。まだメインストーリー途中なのでアルシーヴ様の目的が分からなくて、蓋開けたらめちゃめちゃ解釈違い～とかになったらどうしましょう、でも多分再生要素はあると思う。
構図としては前に言ったけど魔術師：きららちゃんとなんとな～く対になるようにしています、鎌持ってない死神のタロットって結構あるんですよ皆さん。
（並べるとわかりやすい！！！）
杖や魔法陣、あと白と黒のマントの対比とか……アルシーヴ様はすっごく衣装デザインが複雑だったのでマントでいっぱい隠せてよかった。
ストーリーの流れだとここから先は人間じゃなくて節制／悪魔／星……と、やたら概念的なアイテムのカードばっかりなので主人公の旅人はここで肉体的に死んで魂にでもなるんでしょう、こんどの旅は霊界だ～～～～
つずく
P.S.久しぶりに渋にまとめました
