死因はインターネット

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優しい事件:シロクマと不明局で結局起きていたこと

芳たんの公式漫画アプリ「COMIC FUZ」がいつの間にか配信されていました。

FUZなんですね、さっきまでFAZだと思ってました、読み方から先に覚えて適宜「ふぁずだからFとAとZ~」って脳内で変換しながら書いてた弊害ですね。

 

アカウントをいっぱい作ったり決済をごちゃごちゃさせるのがめんどくさ~~~~ってなるのが苦手なので電子書籍KindlecomiXology(アメコミの超便利な電子書籍サービスです。何より向こうでの発売日にもう配信してくれるのが強いのと時々アホみたいなセールやるのがうれしかった、Amazonに買収された、結局Amazonじゃん)くらいしか使ってなかったんですが(あと大手ならサービス休止の心配も無いしね☆)とりあえずインストールしました。こういった類の電書サービスは慣れないね、みんなジャンプなんとかとか読んでるのに。

 

そんなこんなでFUZは時々使ってます、スタミナはめちゃめちゃ漏れてるけど……特定の1話が更新された時TLのみんなでその話とかできたらいいよね。この回の○○の感情が重すぎる……!?みたいな?

 

 

さて、FUZ上で公開されてる作品群の中に『ゆるキャン△』のあfろ先生の過去作『月曜日の空飛ぶオレンジ。』と『シロクマと不明局』がありまして、ゆるキャン△以前からのファンとしては「やった〜〜〜」って感じである種布教のチャンスだと思った訳であります、多分いっぱい初めて読む人いるもんね。

ということで、今回はそのうちの1つ、『シロクマと不明局』についてのお話をしたいと思います。特にラストの辺り。

FUZの仕様上コインで読む権を買っても数日でまた読めなくなってしまうんですが、この作品は1つのキャラに対してなんか色々前世とかも絡んできて濃いめの情報量を2巻(というか2巻目の後半)で駆け抜けるので処理に疲れて「結局どういうこと?」ってなっちゃう人も出てくるんじゃないかなと思います、自分もまとめて読むまでそうでした。そんな人の補足になったら嬉しいです。

 

事前に一つ言っておくと多分めちゃめちゃネタバレというか核心に触れます、これから読む人は読みながら自分で点と点を繋げる読書体験が出来なくなるのでその辺覚悟して引き返すかどうか決めてください。数年前の作品のネタバレに気をつけなきゃいけないのめんどくさいですね。みんな手元に単行本あったら何ページのココ!って言って説明省くのに……

 

シロクマと不明局 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

シロクマと不明局 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

 

 

シロクマと不明局 (2) (まんがタイムKRコミックス)

シロクマと不明局 (2) (まんがタイムKRコミックス)

 

 

(続きは続きで)

 

『シロクマと不明局』で起きていた事件は天国や地獄に暮らす人(人?死んでるけど人って呼びます)が謎のカボチャ「ジャック」の手引きによって本作の舞台である煉獄へと騙されて連れてこられてしまうというもの。主人公の熊本チエコもその被害にあい煉獄でお仕事して暮らすことに。まだ高校1年の4月だったのに……涼風青葉もびっくりですよ。

 

2巻の途中までは先生の死生観や人と人との関係性、不条理ギャグがメインでしたが2巻後半で一気にストーリーが進みます。月曜日~のほうはその辺ぶん投げましたからね……その辺ちゃんとまとめるようにしたってインタビューでも言ってました。

 

 

さてさて、ジャックの目的は「お祭り」を煉獄で開催することだったんですけど、そのジャックを操っていた黒幕が昼神一族八葉、煉獄での名は「ショーワトキコ」(白抜きしています)彼女の視点からこの事件を見ると何がしたかったのかわかりやすいんじゃないんでしょうか。

 

とりあえずまず必要なのは昼神一族についての情報を整理することだと思います。ただでさえ同じ存在に前世来世煉獄での姿といった複数のパーソナリティが与えられてごちゃごちゃしていてわかりにくいのですが、それでもって描写が少なくて、セリフでの説明の割合が高く、でも黒幕の動機に大きく関わっているので……多分読みにくさというか把握しずらさの原因はココです、情報量がバグってる。

 

昼神一族とは予知能力を持って生まれ、占術を糧とする一族。しかしその能力の正体はこの世ならざるところから取り憑いた「魔」そのもの。ある日宗家(宗家って言い方分かりにくいですよね、本家~)の長男が「魔」の因果を断ち切るために占いの結果を偽り、そのせいでとある祭りの日に宗家分家諸共滅亡してしまいましたとさ……

一族滅亡の引き金を引いたのは本作で不明局の局長を務める縁之下サブロウ、局長の前はその贖罪として地獄の門番となり「魔」との戦いに明け暮れていました。

 

ジャック事件黒幕の分家の昼神八葉またの名を○○○、一族滅亡のきっかけとなった宗家の縁之下局長、そしてもう一人のキーパーソンが八葉の弟の昼神相助です。どんな人?って言われても弟!故人!としか言えない……

 

一族滅亡のあの日、一族のために占術と祓魔に明け暮れていた局長を、宗家と分家の違いはあるものの同じ一族≒家族を楽しませる為にお祭りへ行こうとしていたのが相助でした。そして死後の世界でも地獄の門番として、生まれ変わって次の人生を送ろうともせず一族への贖罪のために怪物と戦い続けていた局長に送るためにもう一度、あの日行けなかったお祭りをやろうとしていたのです……

そもそもの目的として、過去に囚われていた(作中では腑抜けてるけど……)局長を救うために大好きなお祭りを企画したってのが……良いですよね……どこまでも優しさに満ちています……

相助は生まれ変わって来世で次の人生を送りに行ったのでその願いを姉の八葉が引き継ぎ、お祭りの為にたくさんの人を巻き込みジャック事件を起こした……こうして見ると家族愛に溢れたすごくいい話じゃないですか……(このような献身は家族だけに起きる現象では無いと思うので家族愛って言葉が適切かどうかは分かりません、一応対象が家族なのでね)

 

それと、クライマックスで判明したのが相助の来世が主人公チエコの父親だというコト。この説明が一番後回しになっていたので実感薄かったんですが、死後も尚八葉は弟を見守っていて、その娘=遠くて近い家族に楽しんでもらいたいという思いも込めてある、チエコの為のお祭りでもあったっていうのも複雑で、でも決して断ち切れない縁を感じます。

 

この辺りに気づいた時(何度目の読み直しで気づいたの?)はもうめちゃめちゃ感動というか、「イイハナシダナー」ってなりました。自分の経験を絡めて書けないのでどうしても借りてきたような表現になっちゃいますね。

 

 

今回は「結局何が起きていたの?」を分かりやすくする為に家族、一族という観点から語りました。しかし既読の方は「ソウルメイトについて触れてないじゃん!」と怒り狂っているかもしれません。敢えてです、敢えて、ねっ……だから……そっ、そのナイフを置いて……

 

人と人との繋がりについてをテーマないしストーリーテリングの手段としている作品はきらら系では少なくないです、というかきらら系に限らず大半の作品は何らかの形でそういった要素を持ちます(もちろん例外はありますよ!!!一応言っておかないといけないなって思ったので)だってそうしないとお話が成り立つかどうかすら怪しいもん。

 

本作も例に漏れずそういった繋がり、先程言った家族愛やキーワードの一つである前世来世を超えて繋がる切っても切れない関係性の「ソウルメイト」、あとは逆に死後の世界ということで人を忘れてしまうこと……などの繋がりに関するテーマを持ち出してきますし、結構露骨にそういった話をしています。そう言えば、ゆるキャン△のなでしこ&リンの関係性も割と丁寧に描いているというか、お互いが基本的に異なる価値観を持ちながらも尊重し合い、つかず離れず時々ついて影響を与え変化を促す……みたいなのが魅力なんですが、あfろ先生がそのような作劇をする基となる思想の一端も垣間見得る気がしますね。

 

今思うとそういった点が『シロクマと不明局』魅力の一つであり、自分が久々に読んで心動かされた一因なのかな〜なんて。

だからみんな、読もう!!!!!面白いですよ!!!!!!!!!!月曜日の空飛ぶオレンジ。の方も好きだけどアレは何と言うか説明が難しいので魂で読んでください。2巻のカバー下(と口絵のカラーイラスト)が結構重要度高いので出来たら単話じゃなくて単行本の形で買うのがいいと思います、シロクマのほうは単話に2巻ラストの描き下ろしを無理矢理ねじ込んできたので単話でも読みやすいかな?